車中泊用ベッドを自作しよう!
既にキャンピングカーを所有しているオーナーにとって、車は仮眠する場所ではなく熟睡する場だ。
動く居酒屋であり、バーであり、気分良く酔い、寝たいときにすぐに寝られる夢のような移動式別宅である。
まだキャンピングカーを所有していなかった頃、なんとか安く自作できないものかと、脳内設計と脳内作業にせっせと勤しんだが、非常にクオリティの高いものができたため、筆者と同じ想いと野望を抱いている皆さまに向け、エブリィワゴンの車中泊DIYの方法を大公開する!
※ここで紹介するエブリィワゴンの車室内寸法は、前モデルのDA64Wである。
まずはスペックを公開
✔185cm(+3cm空間) x 120cmの広々就寝スペース!
✔ベッド展開は左右でワンアクションで完了!
✔床下にたっぷりの収納スペース!
✔ソロ仕様時の飲み&就寝時の快適性確保!
✔内装はお好みで!ナチュラルオーガニックカフェ風
材料は?
土台部はこれ!
まずは土台/骨組みだ。 メジャーな材料は木材か、写真のイレクターパイプと呼ばれるものだ。 これは鉄パイプにプラスティックをコーティングしたもので、強度として申し分なく、且つ、カット加工が簡単。 筆者はこのイレクターを使用した。 ジョイントも含め、およそ¥18,000也。
寸法詳細+図面(マンガ絵)は後述する。
ベッド天板は?
天板はホームセンターで販売しているコンパネを使用。厚みは12mm。 厚くすれば強度は増すが重量も増す。 薄いと軽いが強度懸念があり、12mm程度がお薦めだ。 また、ほとんどが直線カットのため、お店にて電ノコで何百円かでやってもらえる。細かい加工はのこぎりで行おう。値段は約¥6,000だった。
お次はマットレス!
寝心地に大きく影響するマットレスのチョイスは非常に重要だ。 欧米のキャンピングカーのマットレスは、既に家庭用のベッドマットレス(それ以上?)が導入されているが、当然DIYの狙いは、低価格でそれに匹敵する寝心地を目指すことだ。 筆者が発注したものは、チップウレタン=30mmTとスポンジ=10mmTの2層構造で、総厚み40mmT。 送料込みでわずか¥7,000程度だった。寸法詳細は後述する。
尚、現在の愛車(バンコン)のベッドよりも寝心地が圧倒的に良かった。
【ウレタン・スポンジ】#80チップウレタン 片面高弾性ウレタン 40mm厚 120×200cm__str-er1-40-20k 価格:7,106円 |
【ウレタン・スポンジ】#80チップウレタン 片面高弾性ウレタン 50mm厚 120×200cm__str-er1-50-20k 価格:8,164円 |
筆者発注品とまったく同じではないが、120×200でサイズ的にちょうど良く、且つ、50mm厚もあり、よりクッション性に富んでいるため、寝心地はバツグンだろう。
尚、ハサミで簡単にカット出来る。
ファブリック(生地)は?
今やネットで何でも購入できる。 ソファや椅子のファブリックも例外ではなく、ネットで自分好みのファブリックが選びたい放題だ。 発注単位は、1,000mm幅や1,400幅などを1M以上、10cm単位で発注できる。 その単価はわずか200~300円/10cm。筆者はおよそ¥6,500で購入した。
椅子生地 椅子張り生地 サンゲツ 椅子生地張替え クールソリッド UP8387~UP8392 無地 6色 価格:215円 |
その他 用意するもの
・タッカー (木工用ホッチキス) \300
・専用芯 \100
簡易式のもので充分で、ダイソーの大型店で購入できる。身近になければホームセンターやネットで購入しよう。
価格:743円 |
ベッドの分割レイアウトを決めよう!
使用する材料とそのコストはおおかた理解できたと思う。 思った以上に安価でシンプルだとわかったはずだ。
さて、これら材料を手配・発注するためには、自分が欲しいベッド寸法、そして、マットレスをどのように分割するかを決定する必要がある。 これがまず最初のステップだ。
一番最初に決めるのはコンパネ分割のレイアウト!
筆者は上のフォトのとおり、ぜんぶで4枚の構成である。
以下、レイアウトと寸法詳細になるが、注意いただきたいのは、この寸法はコンパネの寸法という点だ。
上記は、運転席・助手席ともに、最大限 前にシートスライドさせた状態で設置できるサイズ。
また、コンパネ寸法は183cmとなっているが、マットレス寸法は185cmとなる。 その理由は以下。
マットレスの寸法は?
マットレス寸法をコンパネ寸法と同じにすると、ベッドセットすると、外周部同士が硬質な当たり具合となり、ガタツキの原因になりかねない。 そのため・・・
こうすることで、マットレス同士に適度な負荷が掛かり、素晴らしいフィッティングとなりガタツキも発生しないため、ぜひ取り入れて欲しい。
ファブリックの調達
ファブリックは、ソファ用のファブリックをネットで好きな柄のものを探そう。 インテリアイメージに大きく影響する。 さて、購入長さは上述マットレス寸法から算出するが、以下注意。
気になるイレクター寸法!
さぁ、ここで最も気になるイレクターの寸法を公開する!
ここの出来は、快適性や仕上がりに大きく影響するため、気合を入れよう!
これを組み立て設置すると以下のようになる。
脚の高さは各部でバラつくこともあるため、細かな調整はガタツキを見ながらカット調整しよう。
また、ジョイントはプラ製とメタル製があるが、強度を考えればメタルジョイント一択。少し値段は張るが、ここは安心感を買おう。
尚、筆者はイレクターの端部にたまたま売っていたキャップをかぶせ安定性を向上させた。ネジ式で高さ調整できるアジャスター式もあるため、こちらはバラつき調整がなお簡単だろう。
以下は参考までにリンクを貼っておくが、ホームセンターで確認しながら購入するのをオススメする。
イレクター パイプH-1500 S BL【矢崎 ヤザキ イレクター パイプ ジョイント】 価格:540円 |
メタルジョイントHJ-2 S2【矢崎 ヤザキ イレクター パイプ ジョイント】 価格:1,221円 |
準備編まとめ
いかがだっただろうか。
面倒なのは「採寸」と「構想」、「図面起こし」だ。
現モデル (DA17V) の内寸データは保有していないが、大改編が必要なほどの大きな差はないと思われ、微調整程度と思われる。
当然、分割レイアウトは使い勝手や好みがあるため、これと同じにする必要はないが、このレイアウトではソロでも便利な活用ができる。
これはまた次の更新時に紹介する。
次回はいよいよ作製編だ!
お楽しみに!!
■土台
・イレクター 約\18,000
■ベッド
・12mm厚コンパネ 約\6,000
・40mm厚マットレス 約\7,000
・ソファ用ファブリック 約\6,500
■工具
・タッカー \300
・専用芯 \100
文・撮影 三宅 雅也 (ライター/長野県自然保護レンジャー)
コメント
すっごいためになる情報をありがとうございます。活用させて頂きます
まりぽーささま、コメントいただきありがとうございます。
自由気ままな旅の手助けになれば幸いです。